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【生活部】パスタの作り方より食べ方を考えてみます

❒日本パスタ協会に見る日本のパスタ文化❒https://www.pasta.or.jp/content/images/content_index_mainpic.jpg

1972年7月 社団法人   

全日本マカロニ協会として発足
2002年2月 社団法人   日本パスタ協会に改称
2013年4月 一般社団法人 日本パスタ協会に改称
国内のパスタ生産は、1950年代に本格化して以来、着実に成長を続け、日本の食生活にしっかりと根付いてまいりました。これも皆様の日頃のご愛顧のお陰と心から感謝申し上げます。―日本パスタ協会HPより
https://www.pasta.or.jp/
さらりと書かれていますが、戦後まもないころから日本のパスタ生産は本格化していたことに驚きます。
発足当時は「全日本マカロニ協会」でしたが、最近はマカロニはあまり見なくなりましたね。スパゲティもやや死語で今は「パスタ」が主流ですね。ペンネ、フェットチーネ、ラザニアもなじみ深いものではないでしょうか。私が若い頃は「これはラッザーニャていうイタリア南部に伝わる伝統的家庭料理で・・・」などと講釈を垂れる人がいましたが、今の若い人にとっては特別シャレたものではないでしょう。国内のパスタ界隈の変化は目まぐるしいですね。

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トップ | 日本イタリア料理協会
日本イタリア料理協会は今年でやっと30年、日本パスタ協会より16年も後に発足していることを考えると日本でパスタ、スパゲティは「イタリア料理」よりももっと以前から単一の食べ物として日本の国民食として定着と進化を続けてしてきたような気がします。

日本はカレーライスやラーメンよろしく、海外の料理を大幅にアレンジするのが得意です。パスタの世界にもその際脳を存分に生かし、実に多くのレシピが開発されました。ナポリタンとたらこスパゲティは日本独自の最強レシピで、今では外国に輸出するまでになっています。市販のパスタソースも数え切れないくらいあります、80年代~90年代くらいまでは専門店にしかなかったジェノベーゼやイカスミ、ボンゴレやカルボナーラもお手頃価格でスーパーに並んでいます。最近はお吸い物メーカーさんがパスタにも使えるよと販路を拡大しています。

 

❒日本のパスタは至高?❒f:id:uncensorednewz:20181119225850j:plain

ファミレスでもアルデンテ!
海外の人たちと話していても日本のパスタが世界でイチバンおいしいのではないかという声もたびたび聞きました。外国人の食通は日本のパスタはどこに行ってもアツアツのアルデンテで出てくることに感心していました。「日本のパスタはファミリーレストランだって温かいアルデンテの状態で出てくる。欧米のレストランでは茹で置きのパスタをソースに入れて作るのが主流だ。麺は伸びていて温度もぬるい。よほど高級なところに行かなければホットなアルデンテには出会えない」ということでした。
確かに私もイタリアに短期間滞在したことがありますが、日本のような湯気の立つアルデンテにはお目にかかれず、のっぺりとした思い出しかありません。ローマの中心部にいたっては作り置きを平然と暖め直す店が人気を博していて、「サイゼリアを見習え」と心の中で悪態をつきました。

 

❒作り方より食べ方がカギ?❒f:id:uncensorednewz:20181119230515j:plain

一方で彼らと食事をしていると気づくことがあります。そう言いながらもパスタをゆっくりと食べているのです。彼らのペースに合わせようとフォークを置いてみるものの、目の前で冷めて乾いていくパスタを見ていると日本人の心がそわそわしてきます。やはりラーメンやうどんと同じで麺類はアツいうちにハフハフとほおばるという習性が身についているのを感じました。
そんな考えがあるイタリア料理店のパスタをいただいたときに変わりました。店名は言えませんが、政財界、著名人が足繁く通うお店で、私は偶然にも財界の食通の人に誘われてお邪魔しました。おいしい前菜に続いてジェノベーゼのパスタが出てきました。口に入れると温かいのですが、ゆでたてアツアツではありませんでした。財界の人はゆっくりとフォークに適量のパスタをまいて、口の中でよく噛んでいました。いつもはツルツルと食べる私ですが、まねをしてモグモグと食べてみました。そうすると噛めば噛むほど口の中にソースとパスタの小麦粉の香りが広がりました。
食通のアメリカ人も、ローマッ子ももしかしたらこの体験をしていたのかもしれない、ハフハフ食いをしてきた自分はもったいないことをしてきたのかもしれないと、激しく後悔しました。
それ以来、私はパスタは少しさましてモグモグ食いをするように心がけています。多少温度は下がりますが、ラーメンやうどんのように汁物ではないので伸びることはありません。

 

❒冷まし食いは他の料理でも❒f:id:uncensorednewz:20181119231121j:plain

日本人はやっぱりできたて、ゆでたて、あげたてと「~たて」にこだわりがあると思います。必然的にアツアツのうちに食べることが推奨されます。これは子どもの頃からお母さんに言われていた「あったかいうちにたべなさい」文化が染みついたものでは無いかと思います。
またしても先ほどの財界の人に連れていってもらったある高級焼き肉屋さんでの話ですが、その店は客席には網を置かず、厨房で焼いた肉を運んでくるスタイルでした。これがまたゆっくりかみしめるとおいしくて「ジュージュー焼きたてでほかほかご飯」な食べ方をしてきた私にとってはまたしても衝撃初体験となりました。
ブラジル人の友人が以前、日本人は焼肉をあまりに熱いうちに食べ過ぎている。あんな食べ方では肉の味をちゃんと味わっていないと言われたのを思い出しましたブラジルのシュラスコはゆっくりと焼かれていてそんなにアツくないから、ゆっくりよく噛むと肉のうまみを感じるというのです。今思えば納得できます。
私もラーメンや焼肉、定食などは温かいうちにハフハフ食いをしてしまうこともありますが、たまに「冷まし食い」するようにしています。食べたいように食べるのがイチバンだとは思いますが、お試しいただきたく。