【裏社会部】暴力団・ヤクザ 語源の意味と花札
チームの中で事件ばかり追ってきたメンバーです!
自分の専門分野も書いてみたらと言われたので「裏社会部」として書かせていただきます。
この手の話は、実話系雑誌や書籍で「〇〇組は六代目が〇〇抗争で活躍したXXさんで、この人は△△組と兄弟分で・・・」とかすごくマニアックな業界話になってしまうか、「最近のヤクザは死体を硫酸で溶かすプールを持っている」みたいな都市伝説系か、逆に大手新聞の「暴力団事務所やみかじめ料の撤廃、離脱した組員の立ち直りを警察が進めています」みたいな優等生の記事になりがちです。
私はもうちょっと面白いけど、わかりやすく、身近で社会性を持たせてみようと思います。拙文ですがよろしくお願いいたします。今後は、もう少し具体的な話を書いていこうと思いますが、とりあえずはヤクザ、暴力団の基礎について書かせていただきます。
「普通の人がやめるところでやめないで893でドボンしてもいいってのが、俺たちヤクザの考え方なんだ」
―関東地方の博徒系団体幹部
❒人生0点=ヤクザ❒
「ヤクザ」という名前の語源は花札を使った博打の8ー9-3の組み合わせが語源とされています。花札はトランプと同じで絵柄ごとに1~12の数字×4=48枚が割り当てられていますが、複雑なので割愛します。
最も簡単な「三枚(カブ)」というゲームはトランプのブラックジャック(21に近づけながらも21を超えたら負け)とバカラ(引いたカードの合計数の1ケタ目を争う)を混ぜたようなルールです。
「三枚(カブ)」
3枚までの札を引いていき、その合計の一桁目の数字の大小を争うゲーム。最低2枚目までは引かなければなりませんが、3枚目を引くか引かないかは点数を見て判断します。わかりにくいと思うので具体的に説明します。
1枚目5 → 2枚目9
5+9=14 1けた目の数字=4点
これ以上、札を引くのをやめてもいいですが、4点は弱いです。
もう1枚引いて
1が出れば 4+1=5点
2が出れば 4+2=6点
3が出れば 4+3=7点
と増えていきます。
しかし6が出たらどうでしょうか。
4+6=10 1けた目の数字=0点
0点は“ブタ”と呼ばれ、バースト=即敗北です。
ヤクザ=8、9、3はどうでしょうか。
8+9+3=20 1けた目の数字=0点(ブタ)
警察が非行少年の構成や暴力団の離脱の際にこの話をします。
「ヤクザは0点人生なんだぞ」
❒7点で止まらない人生という解釈❒ しかし、ヤクザ連中とこの話になると「その話は間違っとるわい」といつも笑われ、次のような説明が続きます。
「カタギの度胸のない人間は8+9で17=7点で止まる。でも俺たち極道は、そこでエイ!ともう1枚引く。次が3でブタになるかもしれないが、半端なところでは終われねえ男の度胸があるってことだ」
これは業界ではテッパンの「すべらない話」です(笑)
8ー9ー3の組み合わせを考えてみましょう。
1枚目8 → 2枚目9
8+9=17 1けた目の数字=7点
7点は8点か9点にしか負けないのでかなり強いです。
3枚目が1で
17+1=18⇒8点
もしくは
2で2+17=19⇒9点
という2パターン以外は負けることはないです。3枚目を引くと7より点数が下がったり、0点になるリスクもあるので、3枚目を引かずにやめるのが合理的です。
しかし、ヤクザはエイ!と3枚目を引いてブタになることを美徳と主張します。普通に確率論から考えれば非合理的な選択ですが、ヤクザの価値観では「度胸がある」とか「ハンパじゃねえ」などとポジティブな方向にとらえられます。
❒「理解不能」な思考を持つと「理解」する❒ヤクザはただのオトナの不良の集まりです。映画やドラマの影響なのか、現代には「経済ヤクザ」がはびこっていて、すごく頭が回る人たちだという誤った印象を持つ人もいるようですが、そんな人はほとんどいません。
最近、例の分裂騒動でヤクザがテレビに出る機会が多くなりました。スーツに身を包み、険しい表情で無言でカメラの前を颯爽と通り過ぎていく姿は何か大きな力を持った知的な人物に見えるかもしれませんが、事務所の中ではテレビを見て「おう、なんやワシ賢そうに映っとるやんけ!ワシャシャシャシャ」と汚い関西弁でだみ声で話す無教養な人たちです。
ヤクザは違法な賭博場の運営や、覚せい剤などの薬物の売買、恐喝や窃盗などの犯罪で生計を立てている異常で特殊な集団です。たまにあぶく銭を手にするものの、人生の大半を刑務所で過ごします。
社会的偏差値が著しく低くて、反社会的な思考回路を持っている本当に何の反省も勉強もしないまま年を取った不良の集まりです。
暴力団が抗争事件を起こすと、その背景に何か利権が絡んでいるのでは?などと深読みしがちですが、大半は「なめられた」みたいな到底、一般社会人が理解できない理由がほとんどです。まさに893=0点集団なのです。
何かの拍子にヤクザ、暴力団に遭遇して難癖をつけられることがあったらあまり難しく考えずに、頭の悪い、理解が及ばない人間と遭遇してしまったとあきらめて、相手と交渉したり、いろいろと策を練ったりしないでいで、警察に連絡して「どう扱ったらいいのかわからない人種なのでプロにお任せします」と相談すればいいだけです。